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EXPERT STORY
エキスパートストーリー

チューニングカーをもっと楽しむために(3/3) | AUTO SERVICE MORI 代表/森 修

自分のクルマをもっと乗りやすく、しかも速く走らせたい……。クルマに乗っている人なら誰もが思っていることだ。27年前にオープンして以来、オートサービスモリでは、様々なクルマを制作してきた。今回は「オートサービスモリ」森代表が、クルマについて熱く語ってくれたぞ!
TOP > エキスパートストーリー > 森 修 > インタビューその3(最終回)
エキスパートプロフィール
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楽しいからずっとクルマに携わってきたオートサービスモリ・森代表。現在も今のニーズに合わせたクルマ作りを目指し、そして作り上げている。クルマを走らせるからには楽しくなくちゃならない。その信念が今の時代に合ったチューニングカーを作り出す。常に全力で時代を駆け抜ける、湘爆屋おやじ組・お頭の森代表が語る、最終回!

森 修インタビューその3
「乗りやすくて楽しいチューニングカーを作る」

> MSC(以下省略):ドリフト車というのは、森さんの目にはどんな感じで映っていましたか?

(以下省略):ドリフトに関していえば、かつて「鬼キャン」時代というのがありましたよね。あれが僕は大嫌いでしたね。鬼キャンにしたクルマで、急ブレーキが踏めるのか? と思って、そんなドリフト仕様と呼ばれるクルマたちを見ていましたから。だから僕は、ドリフトというとあまり良くないイメージを、ずっと引きずっていたんです。


しかし、それからだんだんとキャンバーが起きてきて、ドリフトにもパワーの時代がきました。そうなってくると、ドリフトを見る僕の目も変わってきました。そしてドリフトをやっている人間とも接するようになってきました。


まあ、そうはいっても、長男がドリフトをやるといわなければ、僕はやらなかったでしょうけどね。

>それがやってみると意外と面白かったのですね。

僕のドリフトは、50歳からのスタートです。もう何年か早かったら、D1に出るなんてことも目標にしていたでしょうね。でも今はこの歳ですからね。周りのみんなからは「まだ若いですよ」と言われますが、僕のなかでは、50歳はやはり50歳でしかないのです。当然衰えるところは衰えていますから。だから今僕は、ドリフトを楽しめるような形で付き合っています。


そんな感じなので、僕は今良い形でやっているんじゃないですかね。ドリフトをしているという過程を、今の僕は楽しんでいますよ。

>ドリフトに限らず、やはりクルマにはひとりでも多く楽しんで乗ってもらいたいですからね。

そうですね。うちに来るお客さんにも「楽しくないんだったらやらないほうがいい」とよく言います。


例えばドリフトでもグリップでも、クルマ好きが集まったら、「今度サーキットに走りに行こうか」という話になりますよね。そんなときに、こっちから誘わないと来ないという人は、僕は誘いません。自分から「俺も行きたいんです、一緒に行ってもいいですか」という人でないと、いざサーキットに行っても楽しめないと僕は思います。嫌々付き合いで走りに行っても、楽しめるわけがない。楽しくないと、僕はやっている意味がないと思うのです。僕らは今、サーキットに行っても楽しいから、当然充実していますね。みんな笑顔でサーキットを満喫しています。そんな僕も、もし楽しくなくなってしまったら、当然やめてしまいますね。


今でも走行会に行ったりするのは、楽しいからです。今年は先程も言いましたが、ドリフトを楽しみながらやってみようと思っていますね。だからMチャレとD1地方選(茂原ツインサーキット・本庄サーキット)には出場しようと思っています。



>今、どういったクルマを手がけることが多いですか?

今でもストリート系、サーキット、ドリフトと、おかげ様で色々なお客さんが来てくれます。ストリート系の人のクルマの作り方も、一時期の大パワーから乗りやすい適度なパワーに落ち着いてきていますね。どんなクルマでもそうですが、乗りやすいクルマになってきているのはたしかです。


一時期のように、乗りにくくても速けりゃ良いのだというのは、時代の流れで無くなってきています。ですからどんなジャンルにおいても、クルマの作り方は乗りやすいほうに変わってきています。サーキットを走るクルマに関しても、サーキットだけを走れれば良いというのではなく、ストリートの延長ではないのですが、サーキット走行も楽しめて、サーキットまでの往復もそのクルマに乗って移動出来るというようなものが多くなっています。そう考えると、少し前のようにカリカリにチューンするような、尖がった仕様というのも減ったのかな? と思いますね。

>時代の流れで、クルマの改造というのも変わってきているのですね。

なぜこんな風に変わってきたかというと、ひとつは駐車場の価格が高くなったこともあると思います。そのためクルマも、通勤用、走り用と分けて乗っていた人でも、1台しか持てなくなったのではないかと。自分のレベルに合った生活を考えると、クルマは1台でオールマイティに使いたいというのが、正直なところだと思いますよ。


今、どんなクルマでも言えることは、乗りやすく楽に乗れるクルマが好まれ、求められていますね。ただ楽に乗れるという解釈は、ドライバーによって違うので、一概にこういう仕様なんですよ、とは言えない。当然「楽に乗れる」という部分では個人差はあり、その定義は変わります。そのクルマのオーナー本人が乗りやすいことが、今の「乗りやすく楽に乗れる」ということだと思います。だからクルマの仕様は、人によって違っても良いんじゃないかと。だからそれぞれの人が、「自分が乗りやすいクルマ」というものを、追求していって欲しいですね。

>やはり「オートサービスモリ」のデモカーなどは、エンジンなども含めスペシャルの仕様になっているのですか?

いえいえ、そんなことはないですね。例えば今僕がドリフトに使っているS14は、ドリフトに使うという目的がはっきりしているクルマですから、そこを考えて作っています。


例えばドリフト車のエンジンという部分を考えれば、パワーが欲しい。ドリフトでいうパワーはイコールトルクです。だからある程度、下からトルクを出してやれば良い。それで高回転まで回せるエンジンにすればよいのです。エンジンはエンジン単体の性能を求めてあげて、あとは動力であるミッション、デフ、ファイナルなどを決めていく。難しく考えず、ストリートで走らせるクルマを作っていくのと変わらずに作っています。


だからスペシャルというようなことはやっていませんね。やっていることは、みんなとなんら変わりません。S15シルビアでもサーキットを走っているのですが、よく「森さんのクルマは速いから、何をやっているのですか?」と聞かれることもあります。もちろんそのクルマにも特別なことは何もやっていません。カムを入れて、タービンを付けているだけです。それでも「そうかなぁ〜?」と疑っている人もいますね。そんな人には「じゃあ今載っているエンジンを降ろしてやるからさ。このエンジンを買って、載せ換えて走ってみなさいよ」と言います。「どうぞ、どうぞ」とね。それで「買います」っていう人はまずいないですが、やはりみんな何か特別なことをやっているんじゃないの? って思いたくなるみたいですね。


S15に乗る前に、180SXにも乗っていました。180SXのほうが軽い分速く、そのときにも、同じようなことを聞かれ、同じようなことを言うことが多かったですね。


僕は常に思っています。クルマに乗っている人間が、安心してアクセルを踏めるクルマにすれば、そんなクルマなら速く走れるものだと。もちろんそれには限界はあります。でもそのクルマの最高のレベルで走れるようになるはずです。


クルマというのは、トータル的にまとまっているということが、良いクルマだと思います。ですから、今僕が凝っているドリフトなどでは、まだまだ発展しても良いと思っています。ドリフトはある意味、エンジンやボディに対して負担をかけて走らせている部分が多いので、そこをちゃんと作ってやることも大切なんです。


これはドリフトだけでなく、他のことを楽しんでいる人にも言えることだと思います。クルマが苦しんでいる部分を、楽にしてやることですね。苦しませたままクルマに乗っていてもドライバーも楽しくないし、クルマだって壊れる方向にいってしまいます。それは残念なことです。


とにかく、今乗っているクルマをさらに向上させながら、乗り続けてもらいたいものですね。 (了)

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