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EXPERT STORY
エキスパートストーリー
レース界の番長、かく語りき (2/8)
レーサー / 黒澤 琢弥
大好評のシリーズインタビュー第2回目は、今シーズンを占う上でハズせない、新生「富士スピードウェイ」について語ってもらった。データが少なく各チームが攻略に手間取っている新しいコースレイアウトをベテラン黒澤琢弥はどう分析しているのか?
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エキスパートプロフィール
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<strong>黒澤</strong> 琢弥 写真

黒澤琢弥インタビューその2
新生「富士スピードウェイ」を語る

>MSC(以下省略):今シーズン最大のトピックス、新しい富士スピードウェイについて質問します。

黒澤(以下省略):ソイツは答えにくい質問だなぁ。オレはFISCOのレスキューや医療部隊のアドバイザーをやっているし、トヨタの仕事もしているからね。立場上は「いいコースだよ!」って絶賛するしかないじゃん。

>あくまで「レーサー黒澤琢弥」としての視点で語ってください。率直にいって新しい富士スピードウェイってどんなコースですか?

んー、なんていえばいいかなぁ。FISCOがFIAと協議しながら造っただけあり、F1開催も可能な超近代的サーキットではあるよな。Aコーナーはより高速になったし、100Rは走行ラインがいくつもあるし、ヘアピンの進入も2パターンある。ファンにとっても見所が多くておもしろいんじゃないかな。

>走った感触はいかがでした?

実はオレ、誰よりも先に走ったんだよ。CXのドラマ、『エンジン』の撮影でさ。Fポンのマシンで7日間走り込んだけど、あのときは気持ち良かったねぇ。フォーミュラカーなら新生富士はおもしろいかな。でも、ツーリングカーではちょっとストレスが溜まる気がするな。

FISCO:富士スピードウェイ株式会社(Fuji International Speedway Co.,Ltd.)の略称。

FIA:国際自動車連盟(Federation Internationale del' Automobileの略称)。本部をパリに置き、モータースポーツを統括・運営している国際的組織。レースに関する国際ルールはここで決定されている。

Aコーナー、100R、ヘアピン:富士スピードウェイの各コーナーの名称。詳しくは当サイトの、『サーキットガイド』を見てね!
<strong>黒澤</strong> 琢弥 写真

>どのあたりにストレスを感じるんですか?

1コーナーの進入はタイトになったけど、Aコーナーとか100R、ヘアピンは高速で気持ちいい。前半セクションはいいんだよ。でも後半セクションがねぇ・・・。ジムカーナや日光のいろは坂とあまり変わらない気がするかな(笑)。クネクネだもんな。オレ的には昔の「ファイト一発!!」で勝負していた富士の方が好きだな。

>いろは坂・・・ですか。後半セクションが、よっぽどお気に召さないようですね。

オレは常に全開で攻められるようなコースレイアウトが好きだからな。後半セクションには、2速でアクセルを(踏み込まずに)待っていなくちゃいけない低速コーナーが多いんだよ。前半セクションのスピード感が持続しないし、「ファイト一発!!」なんてまるでいらないもんな。

>ギアの上げ下げが非常に多いサーキットになった気がしますよね。

シャーシ屋さんからすると腕の見せ所なんだろうけど、ドライバーには厳しいよね。昔はアクセルべた踏みでカッ飛んでいたけど、今のコースは全開ポイントが少なくなって勝負しにくいよね。クネクネした後半セクションではダウンフォースも有効に使えない。空力担当のエンジニアも頭を悩ませているよ。

>誰もがレコードラインを探っている感じですよね。

そうだな。ドライバーもエンジニアも探っている、決めかねているって感じだね。未知のコースで、しかも空力が有効に使えないから、足とタイヤを決めるのが本当に難しい。タイヤメーカーにとっても課題が多くできたしね。

<strong>黒澤</strong> 琢弥 写真
>リニューアルが及ぼした影響って大きいですよね。

富士のレイアウト変更がレース界活性化への起爆剤になるかもしれないな。8月のS耐と9月のGTでは、各チームとも対富士スピードウェイ用の戦略やセッティングをいろいろと試してくると思うよ。いったいナニが飛び出すのか!? 今シーズン最大の山場になるだろうね。

ジムカーナ:パイロンを並べたコースを1台ずつ走行してタイムを競う。初心者向けのモータースポーツとして人気。

いろは坂:ヘアピンカーブが連続する峠道。正式名称は一般国道120号。カーブが合計で48ヶ所あることから、「いろは歌」に例えてこの名称で呼ばれている。

ダウンフォース:車体を下方に押さえつける力。この力が大きいほどより高速でのコーナリングが可能となる。レーシングカーは一般的に、ウイングやディフューザー等のエアロパーツを装着することでダウンフォースを得ている。


エキスパートプロフィール
取材日:2005年6月16日
連載期間:2005年7月7日〜8月25日(全8回)


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