Back Number
人気ブログが集結!
MSC人気コンテンツ GALコレクションはコチラ♪
EXPERT STORY
エキスパートストーリー
レース界の番長、かく語りき (5/8)
レーサー / 黒澤> 琢弥
すべて最悪の状態だったにも関わらず、さすがは番長! ただ手をこまねいてトップチームの猛威を許していたワケではなかったのだ。第3戦目のロングビーチでは、並みいる強豪ドライバーを尻目にトップを快走! アメリカのレース界に見事、ひと太刀浴びせたのであった。
TOP > エキスパートストーリー > 黒澤 琢弥 > 5/8
エキスパートプロフィール
前へ  1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8  次へ
<strong>黒澤</strong> 琢弥 イラスト

黒澤琢弥インタビューその5
番長 in アメリカ-3 ラップリーダー

>MSC(以下省略):厳しい体制での参戦にも関わらず、ロングビーチでは最高のパフォーマンスを見せてくれました。マジで感動させられましたよ!

黒澤(以下省略):おっ、よくぞ覚えていてくれた! ロングビーチではでっかい花火を上げたもんな。CART時代で最大の見せ場だったね。

>一時はトップを快走していましたからね。

一時はな(笑)。まぁ、チーム体制や戦闘力の劣るマシンのことを考えたら、上出来だとは思うよ。もっともタイミングもよかったんだけどさ。たまたまオレがピットインした途端にフルコースコーションだもんな。他のマシンがぞろぞろピットに戻ってくるのと入れ替えで飛び出したから一躍ラップリーダーだよ。

>作戦の勝利ですね。

もともとアメリカン・レースってビリからでもタイミングや条件が合えば優勝が狙えるユニークな特性をもっている。最後まで全車に勝つチャンスがあるのがおもしろい部分でもあるんだ。ロングビーチの件にしたって、偶然のタイミングをうまく利用しただけのことなんだけど、フルコースコーションになった瞬間に「これはチャンスだ!」ってピーンときたね。

ロングビーチ:カルフォル二ア州、ロングビーチの市街地を利用した仮設ロードコースで争われる、CART〜CHAMPCARシリーズで最も人気が高いレース

フルコースコーション:コース上に止まったマシンや脱落したパーツなどを撤去するために、コースマーシャルが作業を完了するまでの間、ペースカーが入って周回ペースを落すこと。
<strong>黒澤</strong> 琢弥 写真

>偶然のタイミングにしても日本人初のラップリーダーなんて立派な記録ですよ。

日本人初でもあるし、デイル・コイン・レーシングでもチーム始まって以来の快挙だったらしいよ。サインボードを出すオジサンなんて、嬉しさのあまりピョンピョン飛び跳ねちゃってね。オレがトップを走っていた間は、サインボードに何て書いてあるのかまるで見えないの(笑)。気持ちはわかるけど、仕事はキチンとやれって感じだよな(笑)。

>そりゃあ喜びますよ。ミナルディがフェラーリを押さえるのと同じくらい難しいことなんですから。

トップチームと弱小チームじゃ勝負にならないことくらい、スタッフもお客さんもわかっていることだもんな。それなのに日本から来たばっかりで知名度の低いオレがいきなりトップを走ってるもんだから、パドックもスタンドも「あいつは誰だ!?」ってそう然となったらしいよ。

>アメリカのレース界に「黒澤琢弥ここにあり!」と声高にアピールした瞬間でしたね。

最高に気持ちよかったよねぇ。これで死んでも本望って感じだったよ。雑誌の写真でしか見たことがなかったスタードライバー達が、バックミラーの中にぜーんぶ納まっているんだもんな。「ついにやったぜ、ざまあみろ!」だよ。あのときの気持ちを例えていうなら、絶世の美人女優を抱きかかえている自分の姿を、鏡越しに見ているような感じかな(笑)。

>ワオ〜! キメてくれますねぇ。

でもすぐに現実に引き戻されたけどね。そもそも勝負できるようなクルマじゃないし(笑)。しかもオレは前のピットインでタイヤを換えていなかったんだよ。他の連中はイエローコーションのときにタイヤ交換済み。リスタートしたら抜かれるっていうのは目に見えていたんだ。でも、せっかくだから1周でも多く1位を走ってやろうってね。

<strong>黒澤</strong> 琢弥 イラスト
>幸いテクニックでの勝負も可能なロードコースでしたもんね。

ところがスポーツマンシップを重んじるアメリカでは、ブロックは御法度なんだな。もしF1みたいに露骨なブロックをしたら、そりゃ大変だよ! 業界内では誰ひとりとして遊んでくれなくなっちゃうんだ。だからブロックしない程度に何周押さえられるかが勝負だった。タレたタイヤでもがんばって3〜4周は押さえたけど、それが背一杯だったな。

>あのポール・トレーシーマイケル・アンドレッティを押さえただけでもスゴイ! 日本人の誇りですよ。

ま、その後にサイドウォールに刺さっちゃってリタイアしたんだけどね(笑)。結果は残せなかったけど、あのレースでオレは世界でも充分に通用するってことが証明できたと思っているよ。

ミナルディ:F1の世界で最も辛酸をなめているプライベーター。クルマは遅いがホスピタリティテントで提供される食事はメチャメチャ旨いと評判。

パドック:ホスピタリティテントやガレージ、トランスポーターの駐車場などを設けたピット裏のスペース。チーム関係者やマスコミ、スポンサーなどレース関係者の戦場である。

ポール・トレイシー:アメリカン・オープンホイール界を代表するドライバー。アグレッシブなドライビングと悪ガキ風のキャラで抜群の人気を誇る。


エキスパートプロフィール
取材日:2005年6月16日
連載期間:2005年7月7日〜8月25日(全8回)


前へ  1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8  次へ
MSC TOPへ | エキスパートストーリーTOPへ



ページTOPへ
ログイン 個人情報保護方針 サイトポリシー リンク/広告掲載について インフォメーション お問い合わせ
  Copyright © 2008 MSC Corporation All Rights Reserved.