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EXPERT STORY
エキスパートストーリー
ENTER OF ?NO ONE BETTER? (3/4)
レーサー / 谷口 信輝
D1をはじめ、雑誌やビデオでのテクニック解説から走行会の講師に至るまで、ドリフトの伝道師として大活躍! 偉大なる先達、谷口選手がドリフト初心者に対して貴重なアドバイスをしてくれた。走りの道を極めようとする者は心して読むべし!
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エキスパートプロフィール
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<strong>谷口</strong> 信輝 写真

谷口信輝インタビューその3
NOBの弟たちへ

> MSC(以下省略):D1をはじめ、盛り上がりを見せるドリフト界ですが、ひとことでいってドリフトの魅力って何だと思いますか?

谷口(以下省略):クルマを意のままに扱える楽しさと、人にできないことをやって見せる快感ですね。 ストレートを全開で走って、スピンしそうなアングルでコーナーを走り抜けていくのを見たら「何でスピンしないんだ?」とか、「アレはどうすれば出来るんだ?」って驚きますよね? 凄い走りが決まったときの快感は、ちょっと他では味わえないですね!

> D1のド迫力の走りを見て、「オレもドリフト始めるぞー」って人、かなり多いんじゃないでしょうか?

ドリフト人気は凄いですよ。雑誌にビデオ、インターネットと、情報はいくらでも手に入りますからね。パーツ類もいいモノがたくさん売っているし、ドリフトを始めるには最高の環境だと思いますよ。すべて手探りでやってきたボクらにしたら、羨ましい時代ですよね。

> ドリフトを始めるにあたって、お薦めの車種は?

シルビア系がお薦めです。FRでコントロールしやすいのはもちろん、最大の理由は車両価格が比較的安いってこと。パーツ類も豊富でチューニングには困らないし、運が良ければデフや足回りが既にセッティングされている中古車が手に入ることもあります。またブーストコントローラーを付けるだけで、簡単に馬力を上げるのも魅力ですね。

> シルビア系以外ではどうですか?

手持ちのクルマでも高価なスポーツカーでも、基本的には何でもいいとは思います。ただ、車両価格やパーツが高いと、ぶつけるのが惜しくてテクニックの練習なんてする気にならないじゃないですか(笑)。テクニックを磨くのなら車両価格や修理代が安上がりなクルマで、ガンガン練習した方がいいと思いますよ。

FR:クルマの前側に配置したエンジンの力を後輪に伝えて駆動するクルマのこと。エ「フロントエンジン・リヤドライブ」の略。

ブーストコントローラー:エンジンの吸入圧力を上げるパーツ。より多くの空気をエンジンに送り込んでパワーアップを図るのが狙い。
<strong>谷口</strong> 信輝 写真
> セッティングやチューニングで注意すべき点ってありますか?

ビギナーのクルマは総じて乗り難いですね。クルマがアンダー方向になっていて、オーバーステアにした途端にスピンするようなセッテイングになっていることもよくあります。教習所のクルマじゃないですけど、ドリフトのテクニックも乗りやすいクルマで練習すれば上達が早いんです。走行会に講師として呼ばれたときには、ただテクニックを教えるだけじゃなくて、チューニングの指南もしてあげられればいいなーって思っています。

>「谷口選手の講義はわかりやすい」って受講者に好評のようですね。

走り始めたばかりのビギナーは「何でこうなるの?」って、理屈がわかっていないんですよ。ボクが体で覚えていたことを、言葉にして説明しなくちゃいけないので、講師をするようになってからは、一生懸命に理論を考えるようになりました。ビギナーに教えながら、ボク自身も大いに勉強になっていますよ。

> 初心者の人に教えるとき、特に気をつけていることってありますか?

無理をさせないようにしています。基礎もそこそこにテクニックを教える講師もいますけど、ボクの場合はまずは基礎練習をキッチリとやらせますね。「定常円旋回が自由自在に出来るようになるまでは、コースには出しませんよ!」って。

> 基礎をきちんと教えようという人、実は少ないですよね。

理論がなくて、ただ感覚だけで教えられても出来るようにはならないと思いますよ。カウンターを当ててハンドルをクルクルと回したとき、「タイヤがどっちに向いているのか判りますか?」とか、当たり前のことから教えてあげないと。カウンターを当てるタイミングやアクセルを戻すべきか踏むべきか? といった状況判断も、理屈がわかった上で、基礎を繰り返し練習していかないと身に付かないことですからね。

アンダー:アンダーステア。ハンドルを切ったものの、予想通りにクルマが曲がってくれない現象。

オーバーステア:アンダーステアの逆。予想以上にクルマが曲がる現象。スピンなど、コントロールを失う可能性が高い。

定常円旋回:パイロンなどを中心に置いて、ドリフトしながら回る練習法。マシンコントロールの基礎を体で覚えるために行う。
<strong>谷口</strong> 信輝 写真
> 最近は走行会や講習会がたくさん開催されていますから、練習の場には困りませんね。

ボクが峠を攻めていたころは2時間の走行会に2〜3万円も払ったり、サーキットを走ること自体がものすごく高価で贅沢なことだったんです。でも、今なら1日走っても1万円しないリーズナブルな走行会やミニサーキットがいくらでもあります。サーキット情報ならMSCを見ればいくらでも出ていますよ!

> ヨイショしていただきありがとうございます(笑)。それにしても、走り屋上がりの谷口選手がサーキットでの練習を薦めるなんて、少し意外な気もしますけど・・・。

確かにボクは峠でテクニックを磨きましたけど、決して褒められることじゃないと自覚しています。交通ルールを守っていないワケだし、なによりも走り屋はいつか必ず事故を起こしますからね。ボク自身が過去に散々やっちゃったからこそ、皆さんには安全なサーキットでの練習をお薦めしているんです。

> 人にケガさせたりしたら最悪ですしね。

たとえ単独事故でもクルマを壊すと気分がブルーになるし、それに修理代も50万円や100万円はかかってしまいます。そのお金をチューニングパーツやサーキットの使用料にかけた方が絶対にいいじゃないですか。峠でぶつけてムダにお金を使うのは、もうやめにしましょう!

> モータースポーツファンの皆さん、交通ルールは守りましょう!

ストリートでの速い遅いの差は「人に迷惑をかけてゴメンナサイ」って気持ちが厚いか薄いかの違いだと思うんです。クルマとクルマの間を縫っていくような走りをする人は、「自分が当たらなきゃいいや」って感じでしょ? ボクにはそれが速さの証明だとは思えない。そんな人とは同じ土俵で勝負する気にはならないですね。

エキスパートプロフィール
取材日:2005年8月22日
連載期間:2005年9月13日〜10月5日(全4回)




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