EXPERT STORY
エキスパートストーリー

速く走るためのパーツ作りを目指して (1/3)
IKEYA FORMOLA 代表/池谷信二

クルマを速く簡単に走らせることを常に考えている池谷代表。新しいパーツを開発し、それを組み込んだクルマでより快適にタイムに繋がるパーツを求める。ドライビングを楽しむように、クルマを作ることもセッティングすることももっと楽しんで欲しいと、池谷代表が熱く語る!
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エキスパートプロフィール
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男としている以上は何かの形で目立ちたい! それは誰でも同じだと思う。その表現のひとつがクルマだった。クルマに乗ったら誰よりも速く走りたい…誰よりもカッコ良いと言われたい…。クルマ業界に入って、常に新しい風を送り続けている、それがイケヤフォーミュラの代表・池谷信二なのだ。今回はそんな池谷代表に、パーツ開発から現在までのサーキットシーンまでのお話を聞いてきたぞ。

池谷信二インタビューその1
「良いものを求めて誕生したシーケン・シフター」

> MSC(以下省略):イケヤフォーミュラといえば、シーケン・シフターというくらい代表的なパーツがありますが、今年またラインナップも増え、充実してきましたね。

池谷(以下省略): 何にしても「流行らせる」というのは難しいですよね。インプレッサのシーケン・シフターがこの前完成しまして、今年の2月位から発売を開始しました。だけど今までと同じやり方(販売方法)をしていたら、たぶんダメだと思ったのです。製品ができました、雑誌に広告を載せました、といったやり方は今までと同じになってしまう。そこで今回は何か違うやり方をやっていこうと思いました。
シーケンシフターを取り付けた試作機を何個か作って、それを持って全国各地を回りました。製品販売をする前ですね。「こういうものなんですよ」と言って歩いて、そのクルマに乗っている人の気持ちをくすぐるのですね。乗ってみて、触ってみてどうですか、と……。
ある程度のマニュアルを製作して、効果的なPR方法というものも考えました。説明する順番でも受け取り方は違ってきますから。何がこの製品の売りなのかを明確にしていく。そんな作業をユーザーに直接訴えて歩いたのです。
それから製品の販売はちょっと期間を空きました。そうなると欲しい人は気になって、メールを入れてくれましたね。でも開発期間なので、発売できない。どんなに言われても販売できないのです。しかしそれが勝手に噂になって自然な形で広まっていきましたね。今の時代のネットの力というヤツですかね。「オレは乗ったことがある。実際試してみたら、こうだったよ……」といった具合に広がっていくと、例えば北海道には来てくれないのですか? 九州は? という話まで出てくる。「人数さえ集まれば、どこでもいくよ」とメールで答えたら、アメリカから来てくれ! という話までありました。さすがにアメリカまでは行けませんでしたが、そんな形でのPRもあるのだなと思いました。体感して噂が広まるという新しいやり方で、今回のインプレッサ用のシーケン・シフターは広がりが出ました。こういうこともあるのだなと痛感させられました。


> シーケン・シフターはどういう経緯で製品化されたのですか?

 シーケン・シフターを最初に作った車種は、180SXだったのです。180SXのチョップドのデモカーを作った年ですね。あの年が180SXの発売が終わりでした。若者のスポーツカーといえば180SXというくらいに人気の高いクルマでしたが、その歴史に終止符が打たれたその年のオートサロンで、だったらすべてをつぎ込んだ180SXを作ってみようという思いに駆られました。みんなが欲しがっているようなものを全部付けて、それでオートサロンに出展してみようということになりました。そのひとつのパーツとしてシーケンシャルがあったのです。
昔からあったシーケンシャルでしたが、高価なもので一般の人が手に届くパーツではない。ただWRCにしてもGTにしてもそういったものを装備してあるクルマに憧れる。外国でも日本の会社でもシーケンシャルを作ってはみたものの、みんな撤退してしまった。だったら、シーケンシャルパターンで実際に販売できるものを作ってみたいなというところがスタートでした。

> 製品として販売されたのは、チョップド180SXがオートサロンで発表してから、約2、3年後ですよね?

チョップド180SXに装着したシーケンシャルは、動いていたというくらいのものでした。それから2年後の2000年に販売しましたが、今のものと比べるとたしかにまだまだだったかも知れません。製品化した後もシーケン・シフターは試行錯誤を重ねましたね。音の問題や熱問題、車検対応など、すべての面に対処してきて現在の形になりました。シーケン・シフターは、国産車だけでなく、ポルシェからロータス・エリーゼなどの車種も開発してきました。価格的にもそうだったのですが、もっと手頃で良くしていきたいと、考えてここまできました。たぶん半年として同じ考えで作ってはいなかったと思います。もっと良いものがあるだろう……といったことの連続なのです。今販売しているものが完成型かと聞かれたら、それもたぶん違うと答えると思いますね。私たちの望んでいるレベルは、もっと上だという欲があります。でも今販売されているものに関しては、今の時点では最高レベルのものだと思っています。しかし次は何をやろうか? と考えたときに、今以上のものが生まれるかも知れません。

> 新車発表と同じなのでしょうね。良いものを求めて、フルモデルチェンジやマイナーチェンジを繰り返している……。それに対応しながら、パーツもどんどん進化していくという形ですよね。

今の時代は、メーカーが先に行きそうですよね。今度発売されるGT-Rといったクルマはまさにそういう形で出てきますから……。そうなると、アフターの業界はまたその先にいかないといけない。より良いものを見つけないといけない。


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