EXPERT STORY
エキスパートストーリー

シンプルかつ大胆に!楽しむためのクルマ作り!!(4/4)
T&E代表/上野高広

エアロメーカー「T&E」の代表を務めるかたわら、サーキットでのドリフトイベントでも大活躍中の上野高広氏。JZZ30ソアラを愛し続ける根っからのクルマ好き。走り屋からエアロメーカーを立ち上げるまでのサクセスストーリーからプライベートな横顔などを聞いてきたぞ。
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エキスパートプロフィール
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T&E代表、そしてトップドリフターとして活躍中のうえちんこと上野高弘氏。走ることが好きだから、カッコイイクルマが好きだから、ここまでやってくることが出来たと言う。そんな上野氏の走りへの思いからエアロ作りまで聞いてきたぞ! 

上野高広インタビューその4
「納得のいくもの、ユーザーが求めるものを形にする」

> MSC(以下省略):エアロ製作での秘話を教えて下さい。

上野(以下省略):秘話っていうのは特にないですけど、造形過程はまさに格闘です。最初作ったソアラのエアロはやり直しの連続でしたね。ソアラだけでなく、S14やS15シルビアでもそうでしたけど、かなりやり直しをしながら完成させたものです。T&Eの商品は、どんなものでも納得のいくまで作り込んであります。


当然今まで販売してきたエアロ造形も、やり直してやり直して納得のいくまでとことんやりましたね。ただそういうことを繰り返していくうちに、僕の求めているものと僕の要求する雰囲気というのが、造形してくれる人が理解してくれるようになりました。


理解してくれるまでは、喧嘩になってでも納得するものを作り続けました。怒鳴りあったことも1度や2度ではありませんでしたね。「こうだったら、こうはなりませんよ!」「やってみなきゃわからねえだろ!」とお互い理解するまでとことんやりあいました。良いものを、みんなが納得のいくものを、常にT&Eは考えています。

S14シルビア:1965年に発売された初代シルビア(CSP311)の6代目となる日産自動車の2ドアノッチバックタイプクーペ。3ナンバーボディサイズに改良されたSRエンジンを搭載した人気モデル。1993年に前期が発売され、1996年にはツリ目ヘッドライトの後期が発売となった。

S15シルビア:7代目シルビアとなるS15は、1999年に発売された。S14では3ナンバーサイズだったが、このS15では5ナンバーサイズに戻された。エンジンはSR20DETを搭載。T&Eのデモカーとしてガルウイング仕様で登場したS15は、レーシングドライバー・谷口信輝氏の愛車である。

>R32タイプMのフルエアロも販売していますよね。これは上野さんが最初に乗ったクルマですし、ソアラ同様にかなりの思い入れがあるのでは……。

タイプM用は、シルビアシリーズが製作し終わった後に製作を開始しました。自分が始めて乗って仕上げた車種ですし、それに当時乗っていたクルマが自分では完成型に近く「スカイラインのカッコイイ姿はこうだ」という風に自分で思い込んでいた部分もあったので、それを追い越すというか、それ以上のモノを作るということが相当大変でしたね。過去の自分に負けたくないという思いはかなり強く持っていました。

>エアロパーツを製作する上で一番苦労する点というのはありますか?

大抵ね、問題になってくるのがリア部なのですよ。フロントっていうのは、どういう風にいっても、形にしやすい。しかしリアはそうはいかない。リアというのは、限られた部分しか造形できない。ダクトもないし、どちらかというとノッペリしている。ナンバーの取り付け位置だけを考えて、あとは考えなくて作らないといけない。そういう点からも難しいですね。


サイドステップは、フロントとリアの流れを踏まえてつなげてあげれば、それほどおかしなことにはならない。たしかにフロントが難しい車種というのもありますが、リアが一番ポイントですね。だからリアから作っていくという車種もありますね。


 パッと閃く部分というのはすぐに製作出来るのですが、どうしても悩んでしまう部分もある。そういうときは悩んでしまう部分から始めるというやり方を取るときもあります。このクルマはリアから作ろうと……。今エルグランドのエアロを製作しているのですが、このクルマの場合はフロントから作っていますね。その雰囲気を汲んでリアまで持っていこうと思っています。こういう場合もありますし、本当に造形は車種によって違ってきますね。

エルグランド:1997年に日産自動車が販売する高級自動車で、ワンボックス型のミニバン。縦置きV6エンジンを搭載している。2002年にモデルチェンジをし、2004年によりマイナーチェンジされた。

> 造形するときはスポーツだったり、ラグジュアリーだったり、クルマによって意識はしていますか?

それはまったく無いですね。スポーツカーを製作するときも、僕はスポーツに振ろうなんて思っていません。要はそのクルマに似合うエアロを作ろうと思っているだけですから……。どんなクルマでも、基本コンセプトの「シンプルかつ大胆に」です。それに沿って作っているのです。


よく「T&Eさんはスポーツですよね」といわれることがありますが、それはスポーツ系のクルマを多くリリースしているだけで、コンセプトがスポーツではないのです。自分が何にしたいというのではなくて、そのクルマにこういうモノをつけていればカッコイイだろうと思うものを形にしているのです。


ワンボックスを作ろうがスポーツカーを作ろうが、その気持ちは同じです。このエアロを付けてホイールを入れて車高を落とせば、もっとカッコ良くなりますよという提案なのです。

ラグジュアリー:豪華さを備えた高級車のことを「ラグジュアリーカー」と呼ぶ。独自のセンスでさらに高級感を演出しようとするカスタム手法を施した車輌も多く、カーショーなどでも人気が高い。
> 上野さんは本当にクルマ全般に渡って好きなのですね。

クルマはどんなクルマでも大好きです。それでなければ今所有しているクルマも、こんなに増えないですよね。(※取材時にソアラだけでも9台所有しているとか……)

> Z33も最近新しく製作しましたよね。

このZ33はそれほど作るのは、大変ではなかったですね。自分の中で「こうしよう」というのが明確にありましたから……。これだけは守らなければいけないというのがあって、それはニスモのレースに出場出来る規定の長さであること。レギュレーションに合うロングノーズ。これは元々持っていたイメージのまま作れたので、楽しんで作りました。リアに関しても2ピースの構造にしようと思っていたから……。


色々な車種を作ってくるとなかには「ドハデなデュフューザータイプも作ってみたいな」とか思ってくるのですよ。何でもかんでもやってみたくなる。フェラーリを製作したときも特にそうでしたね。あれはリアがもろにデフューザーになっていますから。


そういうのを作っているときって「スゲーな、コレ。これを国産車にも取り入れたいな」とか色々考えるのですね。そんなとき考えたのが、Z33のリアで採用した2ピース構造なのです。基本的にはシンプルに乗りたいのですけど、サーキットではハデにいきたい! という気持ちもありますよね。


そういった遊び心を持って作ったのが、今回のZ33なのです。ハデ目もいいかな……と。ただT&Eでは「シンプルにかつ大胆に」という基本コンセプトがありますから、あれを一体型で作ってしまったら、基本コンセプトからちょっと外れてしまったような気がして……。それなら! と脱着式にしたのです。

Z33:1969年に発売された日産自動車のスポーツモデル「フェアレディZ」の最新モデル。5代目として2002年に登場した。ボディタイプは2シータークーペのみで、V型6気筒DOHC3.5L VQ35DEエンジン搭載。スーパーGTといった国内レースはもちろんのこと、FRなのでドリフトにも用いられることが多い。

ロングノーズ:ボンネットの鼻先が長いことを指すが、一般的には車体全長に占める車体前部のボンネット部が長いことを表している。ロングノーズは大きなエンジンを搭載している証でもあり、ロングノーズ&ショートデッキは高性能FRスポーツカーの定番スタイル。

2ピース構造:全体がふたつの部品で出来ている構造のこと。この場合はリアバンパーがふたつに分かれて製作され、取り外しても楽しめるエアロとなっている。

デフューザー:クルマでいう車体の下面後端部に設けられる整流板のことで、主にF1などのレーシングカーや高性能スポーツカーに装備されているエアロパーツ。
> エアロパーツだけでなく、色々なグッズも数多くリリースしていますよね。

はい、ありますね。Tシャツなどのアパレル系グッズやステッカーから、室内を決めるパーツまで様々発売しております。これらも最初は、自分で着て露出することを考えて、ブランド名が入ったものが欲しかったということから始まりました。


それ以外のモノでも、やはりお客さんの声を受けて製作したというものが多いですね。例えばTシャツを作ったら「子供用のTシャツは無いのですか」という声を受けてそれを実現していったら、こんなにラインナップが増えちゃいました。もちろんそういった小物ひとつひとつにも、こだわりを持って作っています。

アパレル系グッズ:洋品関係の商品。Tシャツやトレーナー、帽子など、メーカーやショップのオリジナルグッズのこと。
> T&Eでは、スイーバというショップも展開していますよね。

スイーバは6年目になりますね。自分の趣味的な要素が強いところですね。もちろん仕事なので、そういうのを抜きで考えた方が良いと思うのですが、基本的にクルマというのはみんなそうだと思うのですが、趣味の部分に入るじゃないですか。


だからそういう要素も僕にも強いので、こだわりを持って自分のクルマが作れる場所としても作りたかったショップなのです。当然お客さんにとってもこだわって欲しいという気持ちを形にしました。そんなことからもショップ名も、好きな場所と書いて「スイーバ」と読ませるようにしたのです。これは「こうば」とも読めるというところもミソですね。僕の好きな場所を、お客さんにも好きになって欲しいと思っています。


 クルマっていうのは、基本的には楽しむということの何者でもないと僕は思っています。それがスポーツにしろ、外車にしろ、ワンボックスにしろ、なんでもクルマは自分たちのライフスタイルに合わせて楽しむものだと思っています。だからクルマの車種は何でも良いんですよ。楽しめれば……そう思ってあのお店をやっております。ぜひ遊びに来て下さいね。

> 今後の展開について教えて下さい。

そうですね、ジャンルにこだわらないイベントをやってみたいです。そしてもちろん新商品の開発をしていきます。新商品の開発については、原点に戻ってやりたいなと思っています。 今僕自身、サーキットでの活動が主となっていますが、以前のようにストリートでの一般ユーザーの声を聞いて、新商品を考えていきたいと思います。


自分が作ったモノとお客さんが求めているモノをもっと理解して、そういうモノを作っていきたい。T&Eは元々そういう発想からスタートしておりますので、今一度原点に戻ってやっていこうと思います。今僕が考えて作っているモノと、一般ユーザーの求めているモノに多少なりともズレがあるように感じるので、今そこを修正してもっと良いモノ、受け入れられるモノを作っていきますよ。



■取材日:2006年9月20日
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「T&E」プロモーションVTR
『T&E』プロモーションVTR
今やエアロメーカーとして知らない人がいないほど人気を得ている「T&E」。数々のこだわりのあるエアロブランドから、マフラー、ブレーキパッドにいたるまで常に新しい価値を創造している。キミもこのVTRを見たらきっと「T&E」ファンになるはず・・・
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